円ドル為替相場ー1月


円キャリートレードが再開

9日は日本・アメリカともに経済指標の発表はなかったのに大きく円安ドル高に進みました。どれくらい円安ドル高になったのかというと、9日深夜2時には1ドル=118.45円でした。しかし夜中の23時10分あたりには1ドル=119.40円あたりと約1円の円安ドル高です。

何も重要な経済指標がない中、どうしてここまで円が売られてドルが買われたのでしょうか?このことを考えるには少し前に戻る必要があります。

1月3日から8日にかけて円はアメリカドル以外のあらゆる通貨で買い戻されていました。たとえば円とユーロの外国為替相場を見ると、3日が1ユーロ=157円後半でしたが、8日には一時1ユーロ=153円台まで円高ユーロ安が進んでいます。

他にも円とイギリスのポンドの相場を見てみると、3日が1ポンド=234円前半でしたが、8日には1ポンド=228円前半まで円高ポンド安が進んでいます。

なぜ急に円が大量に買われたのでしょうか?理由は大きくは2つあります。1つ目は商品相場が急に下落したことがあげられます。商品相場が下落すると、ヘッジファンドは損失を確定せざるおえません。損失を確定するときに円を利用してキャリートレードを利用しているので円の買戻しも大量にでます。この結果円高に大きく進みました。

この円高に拍車をかけたのが、日銀による利上げの可能性です。1月17から18日の金融政策決定会合で利上げが実施される可能性が大きくなっています。そのため円が買われやすい状況になりました。

ただ、この急激な円高もすぐに終わり、また以前の金利に注目した高金利通貨買いが始まろうとしています。8日から10日にかけては、再度買われた円が売られ他の通貨が買われています。

その結果、あらゆる通貨で円が売られ、ドルでも円が売られているのです。

3日から8日にかけて円はあらゆる通貨に対して買われましたが、唯一ドルには買われることなくあまり大きく動きませんでした。なぜかというと、この時期にはアメリカ12月非農業部門雇用者数が外国為替エコノミストが予測していたものよりもずいぶんとよく、アメリカドルも円が買われたのと同様に買われていました。

結果的に3日から10日までの円ドル為替相場をみると3日から8日にかけては円もドルも他の通貨に対してとても強く、8日から10日にかけては円は他の通貨に対して弱く、ドルは他の通貨に対して普通でした。そのため8日から10日の間はドル高になったわけです。


スポンサードリンク