円ドル為替相場ー1月


アメリカ貿易赤字16ヶ月ぶりの低水準

10日の22時30分にアメリカ11月貿易収支の発表がありました。外国為替エコノミストの予想では-595億ドルでしたが、実際には-582億ドルと3ヶ月連続の減少で1年4ヶ月ぶりの低水準の貿易赤字となりました。

この結果、発表前の22時20分には1ドル=119.20円あたりでしたが、11月貿易収支の発表後の11日0時には1ドル=119.60円まで上昇しています。この後ドル買いは少し落ち着きましたが、日本の中原元日銀審議委員の
「政府は時期尚早な利上げに対して議決延期請求権を行使すべき」
というコメントや早川日銀調査統計局長の
「個人消費には極めて緩やかな伸びしか期待できない」
というコメント、さらには
「金利がどんどん上がる社会はよくない」
という塩崎官房長官の発言を受けて、日銀は来週の0.50%への利上げをしにくくなっています。もしかしたら日銀は利上げをしないのではないかと考える外国為替市場参加者も増えています。たとえしたとしても政策金利は0.5パーセントと超低金利のままです。日本がこの超低金利の状態から抜けだすめどはなく、今後も金利が低い状態が続くと考えられています。

さらには最近のアメリカ経済指標はどれも外国為替エコノミストが予測するよりも良い結果となり、景気後退が心配されているアメリカ合衆国ですが、意外とアメリカ経済の悪化は心配していたよりもずいぶん程度の軽いものではないかと考えられるようになってきています。

景気減速が心配していたアメリカ経済の回復、長引く超低金利の日本を比べると高金利のアメリカドルの方を買いたくなります。結果的に11日の外国為替市場でも日本円が売られ、アメリカドルが買われました。アメリカドルは17時時点で1ドル=120円を超え、1年1ヶ月ぶりのドル高になっています。その後もドルは買われて、19時ごろには1ドル=120.20円あたりまで円安ドル高が進んでいます。



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