円ドル為替相場ー5月


利上げ休止を織り込みつつある市場の動きは誤り

ニュース通信社ダウ・ジョーンズとアメリカの大手テレビネットワークのひとつNBCが協力して設立したニュース専門の放送局であるCNBCによると、バーナンキFRB議長の発言として
「バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長による上下両院合同経済委員会での証言を受けて、5月10日のFOMCで利上げが終わるとする為替相場の動きは誤りである」
との内容を伝えました。

このCNBCによる報道を受けて、今後すぐに利上げするわけではなく、アメリカの経済指標を参考にして利上げするか利上げが終わるのか判断するということになりました。

私は、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長による上下両院合同経済委員会での証言は、急に利上げを終えることを発表すると市場が混乱するため、事前に利上げが終わることをオブラートに表現したものだと思っていました。しかし、CNBCテレビの報道で米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長がFRBは依然インフレに対して積極的に対応する姿勢を持っているとの考えを発表したことで、5月10日で利上げが終わるわけではなく、6月にも利上げがある可能性が高まってきました。

また、今後利上げを行うか止めるかは経済指標を見ながら判断するということなので、そのアメリカの経済指標はどうなのかというと、決して弱いものではなく、むしろアメリカの経済の強さを感じさせます。特に、5月1日に発表された4月ISM製造業景況指数では57.3となり、前月の55.2から大きく上昇しました。

4月ISM製造業景況指数は、50が好景気と不景気の分かれ目とされています。このISM指数が前月よりよくなっているため、アメリカの経済が下降しているわけではなく、利上げを終える理由もありません。むしろFRBはインフレに対して警戒感を強く持っているかもしれません。アメリカの経済は堅調なことからも、今後さらに利上げがあるので、少しドル円の動きが予測しにくい状況です。ただし、長期で見るとやはり、ドル売り円買いでせめて行きます。

円ドルの為替相場はCNBCの報道と、4月ISM製造業景況指数の結果からドルが買われ円が売られました。2日0時には1ドル=112.90円でしたが、16時ころには1ドル=113.90円まで、ドルが買われ円が売られています。