円ドル為替相場ー8月


ユーロ・ドルの下落で円つれ安

欧州経済研究所(ZEW)の独8月景況感指数が5年ぶりの低水準を記録しました。この結果、ユーロが大きく売られドルが買われました。え?ユーロとドル・・・円ドル為替相場に関係ないのではと思うかもしれませんが、ユーロとドルの関係は他の通貨にも影響を与えます。今回のように、ユーロが大きく下落し、ドルがたくさん買われた場合、他の通貨でも同じようにドルが買われるのです。円に対してもドルが買われました。

また、米シカゴ地区連銀のモスコウ総裁は22日に連邦準備理事会(FRB)は、インフレ抑制に向け追加利上げが必要となる可能性がある、との見方を示しました。

この結果、次回FOMCでの利上げが行われるのではないかと外国為替市場参加者は考えドル買い円売りをしました。

この二つ以外にも、最近は金利差に注目した取引が盛んでドル以外のオーストラリアドルやニュージーランドドル、ユーロなど他の通貨でも円安が進んでいます。金利の低い円を買って、金利の高い通貨を買い金利で儲ける取引が盛んになっています。

この金利の低さがドル高円安の一番の理由ではないでしょうか?特にアメリカの経済指標の発表がなくて、相場が動きにくいときは常にドルが買われ円が売られているのがここ最近の外国為替相場です。

8月21日17時のころの外国為替市場では、1ドル=115.50円でした。その後少しずつドルが買われ、円が売られ、23日の3時ごろには、116.80円を突破しています。

しかし、この後もずるずるドルが上がり円が下がるのかというと、なかなかそうはいきません。現在、円は売られすぎの状態です。シカゴIMM統計では、8月15日現在で円は6.2万枚の売り持ちです。これは円売り持ちとしては今年4番目の高水準になります。

売られすぎた円はいつか買い戻されます。円がこれ以上買われにくい一方、どこかで2円から3円ストンとドルが売られる可能性もあるので、ご注意下さい。