円ドル為替相場ー8月


8月下落幅が一番大きい弱い通貨は円

日本の7月鉱工業生産・速報の発表がありました。為替エコノミストの予想では前月比+0.7%と高い伸びを期待していたのですが、結果は前月比-0.9%と大きく減少しました。

この結果、外国為替市場参加者の多くが、日銀は早期追加利上げをしないだろうと考え、円売りがさらに強まる結果となりました。7月鉱工業生産・速報の発表前の8時15分には、1ドル=116.95円あたりでした。しかし7月鉱工業生産・速報の発表後には9時には1ドル=117.20円あたりまで円安ドル高が進んでいます。

7月鉱工業生産・速報を業種別に見てみると、自動車向けの工作機械やプレス用金型などが不振で一般機械は5.1%も低下しています。

7月鉱工業生産指数が2ヶ月ぶりに低下したことにより、日銀としてはしばらく金利を上げるのが難しくなってきました。ただでさえ金利が低い日本で、まだ金利があがらないとすると、円を買う人はいませんよね。通常の投資家は、金利が低い円を売って、金利が高い海外の通貨を買うと思います。

金利がしばらく上がらない、さらに金利が以上に低い円を買う人は少ないので、あらゆる通貨で円が弱いです。景気減速が進むドルに対しては、それほど円安にはなっていませんが、たとえばユーロでは7月31日から8月31日までで5円近くユーロが上昇し、円が下落しています。ニュージーランドドルに対しては、1ヶ月で7円も円が下落しています。

金利差を狙った外国為替取引がここ一ヶ月あたり続いています。ただし円は売られすぎの状態が続いています。IMM投機筋ポジションのポジションが8月29日時点で88000枚を超え円は歴史的高水準で売られています。ここ数年、ここまで円が売られたことはないのではというぐらい売られています。

この投機筋が元のポジションに戻すとき、ガクガクと他の通貨が売られと円が買い戻される可能性があるのでご注意を!それにしても円は弱いですね。円に対してこれ以上の売り余力はあるのでしょうか?