円ドル為替相場ー11月


シカゴ購買部協会景気指数急落でドル安

10月31日から11月1日の朝方にかけて外国為替市場ではアメリカドルが大きく売られ、円が大きく買われています。ドルが大きく売られた原因は、10月31日(11月1日)の24時に発表されたアメリカ10月消費者信頼感指数とアメリカ10月シカゴ購買部協会景気指数がともに為替エコノミストが予測していたよりも悪い数字になったからです。

特にアメリカ10月シカゴ購買部協会景気指数は14ヶ月ぶりの低水準の53.5となり、多くの外国為替市場参加者はアメリカの景気減速と早期の利下げを心配するようになりました。為替エコノミストの予測は58.0でした。

アメリカ10月消費者信頼感指数の為替エコノミストによる予測は108.0でしたが、結果は105.4でした。

アメリカ10月消費者信頼感指数とアメリカ10月シカゴ購買部協会景気指数の発表前、23時30分には1ドル=117.80円でした。その後アメリカ経済指標が発表されるとドルは急落し、11月1日の0時20分には1ドル=117.30円、その後、3時には1ドル=116.70円あたりまで円買いドル売り進んでいます。

今回円買いドル売りが急激に進みましたが、これは何もアメリカの経済指標が為替エコノミストが予測したよりも悪化したことだけが原因ではありません。

11月1日には、北朝鮮が6カ国協議に復帰するいことが報道されたために、日本の地政学リスクが軽減し、そこから円買いも入っていたからです。以前、北朝鮮が地下核実験をしたときに北朝鮮に近い日本は核爆弾による影響を受ける可能性が高いと外国為替市場参加者が考え円が大きく売られたときがあります。その売った円の買戻しが、北朝鮮の6ヵ国協議再開を理由に入ったのでしょう。

ただし、この6カ国協議でアメリカと北朝鮮の話し合いがまとまるわけではなく、再度地政学リスクで円が売られる可能性があるので、今後も注意したいところです。

さて今後の円ドル為替相場ですが、円を買えばいいのか・ドルを買えばいいのか迷うところですが、まだまだ基本的にはドル買いだと思います。もちろんアメリカの経済指標が為替エコノミストが予測したものより悪い数字がでればドル売りになりますが、為替エコノミストの予測どおり行けばやはりドル買いだと思います。

理由は日本の利上げがやはりまだまだ先であること、アメリカの利下げは年内にはないことでアメリカと日本の金利差が縮まることはなく、金利の高いところにお金が流れやすいからです。

山本経済産業副大臣は
「日銀の金融政策について、コアCPI(消費者物価指数、除く生鮮食品)前年比が0.5%を超えない段階で利上げの議論はできない」
と言っています。政府はまだまだ利上げは早すぎると考えているようです。なかなか政府の反対を押し切って利上げをすることは難しいです。まだまだ日本の利上げは難しいですね。外国為替保証金取引をされている方でスワップ狙いの方は、今の1ドル=116円は買いどきなのかもしれません。ただしレバレッジのかけすぎには注意です。

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