円ドル為替相場ー12月


12月フィラデルフィア連銀景況指数マイナスへ

22日の日本時間の朝方の2時にアメリカの12月のフィラデルフィア連銀景況指数が発表されました。為替エコノミストの間では3.8と予測していましたが、実際には-4.3とアメリカの景気後退の進んだ2003年4月来の低水準となりました。

フィラデルフィア連銀景況指数が3年8ヶ月ぶりの悪い数字になっているので、ドルが大きく売られるかと思いましたが、大きなドル売りにはならず20銭程度のドル安円高でした。

あまりドル売りが広がらなかったのは、やはりアメリカと日本の金利差が大きいからでしょう。アメリカドルを持っていれば利子がたくさんもらえますが、日本の円ではほとんど利子がありません。日本は今年に利上げは、19日の日銀金融政策決定会合でないことがわかりました。また今後いつ利上げをするかわからない状況です。

一方、アメリカの方もフィラデルフィア連銀景況指数が悪化しただけで利下げを決定するわけではありません。今後利上げはありませんが、日本とアメリカの利率には大きな違いがあります。日本の利率(公定歩合)は0.4パーセントです。アメリカの利率(FF金利は)5.25パーセントです。その差は4.85パーセントにもなります。日本の円ももっていても利子がほとんど増えないので、外国の投資ファンドも日本の個人投資家も縁を買いません。

ドルが売られるタイミングはやはり利下げが断続的に行われるときでしょう。そして日本の円の金利が上がるときだと思います。それまではアメリカの経済指標がたとえ悪くてもドルは円に対して売られにくい状況が続きそうです。

ところでフィラデルフィア連銀景況指数とは一体なんでしょうか?このフィラデルフィア連銀景況指数の意味は、ペンシルバニア、ニュージャージー、デラウエア州の製造業における景況感や経済活動の現状を示したものです。

業況 新規受注 出荷 受注残 出荷頻度 在庫 支払価格 受取価格 従業員数 週平均労働時間などの項目があり、各項目について1カ月前と比較した現状と6カ月後の期待を、ペンシルバニア、ニュージャージー、デラウエア州の製造業の担当者が「良い」「同じ」「悪い」の中から選択して数値化します。プラスであれば景気が良くて、マイナスであれば景気が悪化しています。

またこのフィラデルフィア連銀景況指数は、全ての州を対象としたISM製造業景況指数との相関関係があり、フィラデルフィア連銀景況指数が悪化すればISM製造業景況指数も悪化する傾向にあります。現に11月のISM製造業景況指数は49.5となっており、アメリカの景気減速が心配されました。12月のISM製造業景況指数がまた50以下だとアメリカの利下げの可能性が高まり、さすがにドル売りが進むと個人的には思います。


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